画像生成AIへの懸念、著作権が最大の不安——JILLAがクリエイター意識調査の結果を公開

協同組合日本イラストレーション協会(JILLA)は4月14日、会員を対象に実施した「画像生成AI」に関する意識調査の結果を、JILLA公式ブログにて一般公開すると発表しました。
調査は2025年12月3日から12月25日にかけてWebアンケート形式で実施され、386件の有効回答をもとに集計・分析されています。
調査概要
調査対象はJILLA会員で、会員向けメールマガジンを通じて告知された。回答結果は会報誌『Wille』2026年1月号(Vol.24)にて会員へ報告予定であり、業界内外への情報共有を目的として広く公開される。
主な調査結果
職種・世代によって大きく分かれる印象
全体では、「非常に否定的」「やや否定的」を合わせた否定的な回答が46.4%となり、「非常に肯定的」「やや肯定的」を合わせた肯定的な回答の32.4%を上回りました。「どちらともいえない」は21.2%でした。
職種別で見ると、漫画家の約76%、イラストレーターの約59%が否定的と回答しています。一方、Webデザイナーでは約61%が肯定的と回答しており、「描くこと」が価値の中核となる職種ほど警戒感が強い傾向があるとのことです。
世代別では、30代の否定的割合が約66%と最も高く、50代では肯定的が約53%と最も高い結果となっています。若年層ほど慎重な姿勢を示し、中高年層ほど実利的に評価する傾向が見られました。
「補助ツール」としての活用に期待
性別・職種を問わず、期待される利点として「業務の効率化」(254件)と「アイデア出し」(199件)が上位を占めました。「人手不足の補完」は65件にとどまっており、クリエイターの多くが画像生成AIを「労働代替」ではなく「補助ツール」として捉えていることがうかがえます。
著作権への懸念が最多
懸念点として最も多く挙げられたのは「著作権の侵害(学習・生成に関する法的リスク)」で358件にのぼりました。次いで「クライアント側のモラル」(275件)、「情報の正確性」(271件)が続いています。
また、画像生成AIへの印象が否定的であるほど、人材育成や産業構造の持続性に対する懸念が高まる傾向も確認されています。
82名がトラブルを実際に経験
トラブルを経験したと回答したのは82名で、そのうちイラストレーター(40名)と漫画家(13名)が全体の約65%を占めました。報告されたトラブルの内容は以下の通りです。
- 作品・画風の無断学習
- 個人名を使ったLoRAモデルの無断作成・配布
- クライアントによる成果物への無断AI加工・アニメーション化
- 手描き作品がAI生成と誤認され、値引き交渉や原稿ボツの対象となるケース
- AI判定ツールによる誤判定で原稿受領の受け取り拒否
- AI普及を理由とした制作単価の引き下げ圧力や発注量の減少
JILLAへの要望:制度整備と権利保護を求める声
会員がJILLAに求める対応として、「著作権を守る取り組み」(299件)が最多となりました。次いで「行政への提言・提案」(248件)、「生成AI使用マークの試験運用」(174件)が挙げられています。
個人や事業者単位での対応には限界があるとの認識が広く共有されており、制度的な対応への期待が高まっている状況です。
JILLAは今回の調査結果から、「著作権、人材育成、産業構造への影響といった観点で、すでに具体的な課題が生じていることを示している」とコメントしています。クリエイターの権利保護と技術活用の両立には行政による制度整備と関係者間の継続的な議論が不可欠との認識を示しており、今後も現場の声を社会および行政に届ける取り組みを継続するとしています。
調査結果の詳細はJILLA公式ブログで確認できます。なお、調査データを引用・転載する場合は出典として「協同組合日本イラストレーション協会 画像生成AIに関する意識調査 2025」と明記する必要があります。
- JILLA公式ブログ(調査結果):https://jilla.or.jp/2026/04/14762
- お問い合わせ:https://jilla.or.jp/contact
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